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北原的名盤 第11回 本田美奈子 / ラスト・コンサート

執筆者の写真: sorotsudosorotsudo

2005年に急性骨髄性白血病により38才の若さで亡くなった本田美奈子が、病室でボイスレコーダに録音したものをCD化して2008年に発表したアルバム。そのため、全曲が完全アカペラで歌われている。

本田美奈子は1984年にアイドルとしてデビュー。デビュー当時のCDだけを聴いたら、私の感想も”あぁ、アイドルなのね”で終わっていたと思うが、その後色んな経緯を経て音楽性がどんどん変わっていて、2004年に発病した頃にはクラシカルな曲の志向になっている。

2003年発表のクラシカルな曲が入ったアルバム「AVE MARIA」、最後のアルバムになった「心を込めて...」も聴いてみたが、バックにしっかりした演奏をつけて歌っているこれらよりも、私にはボイスレコーダで録音したこのアルバムの方が心に刺さる。

元々、歌唱力がある本田美奈子だが、このアルバムに収められている曲は、本人が死の直前に本当に歌いたい曲を心を込めて歌っている。まるで命を削るように、気持ちを込めて歌われており、完全アカペラなのでよけいに歌への想いがダイレクトに感じられて胸を打つ。特にグッと来る曲は「アメイジング・グレイス」「見上げてごらん夜の星を」「アマリア」「星に願いを」あたりかな。

なお「星に願いを」の曲の後に、闘病中の想いを本人が肉声で語っている。もっと生きて歌いたかったのだろうなぁ。

良いアルバムだが、ずっと聴いていたら気持ちが落ち込んでくるので聴きすぎ注意。



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