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北原的名盤 第25回 森田童子 / GOOD BYE グッドバイ

1976年発表。「森田童子」の1枚目のアルバム。

森田童子の全盛期は1975年~1978年の3枚のオリジナルアルバムと1枚のライブアルバム(1Stアルバム「GOOD BYE グッドバイ」、2ndアルバム「マザー・スカイ」、3rdアルバム「A BOY ボーイ」、ライブアルバム「東京カテドラル聖マリア大聖堂」)だと思う。

私は好きで1stアルバムから聴いていたが、睡眠薬を飲んだり、カミソリで手首を切ったりする歌詞が出てくる曲もあり、その暗い歌詞ゆえに友達に薦める事もできず、私が聴いていた事を知っている友達は居なかった。デビュー当時は私と同じ思いをしたファンは多かったようで、その音楽性ゆえに、マニアの間でだけ聴かれていた感がある「森田童子」。

だがその後1993年のテレビドラマ「高校教師」の主題歌で「ぼくたちの失敗」が使われて、リバイバルヒットする。まさかこんな暗い曲がテレビドラマで採用されるなんて思ってみた事もなく、本当に驚いた。

「森田童子」の魅力は「バランスを欠いて、壊れそうなやさしさ」みたいなものだと思うのだが、調べていたら2016年にアルバムがリマスターされた時の作品紹介の文章が実に上手いので転記します。

「森田童子の描き出す世界が、デビューから40年を過ぎてなお、リアリティーを増幅させている気がします。果てしない絶望とそれでも残るわずかな希望。不確かな実存とどこまでも広がる虚無。刹那の人間関係の渦と漠然とした不安に包まれた、先の見えないこの世界が、まさに今、森田童子の歌を必要としています。やさしさで包装した青春と云う名の凶器を、いま孤独な君に送ります」

そのまま、コロナウイルスが起きている今の時代にも当てはまるような文章だが、それはおそらく、いつの時代であっても「森田童子」が作り出す世界観は人の心に沁みるという事ではないかと思う。



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