1989年発表。ボサノバの名手、小野リサのファーストアルバム。
このアルバムを聴いたのは2000年を過ぎてからでした。小野リサを最初に聴いたのは2000年発表の「Boas Festas」だったが、何となくこのアルバムは好きになれなかった。何というか、ボサノバってやっぱりアントニオ・カルロス・ジョビンが元祖の人だと思うのだが、私はどうも元祖の人の音楽が好きになれない。ギターのテクニックはすごいと思うだが、「Boas Festas」のアルバムはそのボサノバ臭さがそのまま出てて、私にはうーん、何とも・・・・。
でも、やっぱり小野リサは何となく気になっていた。ボサノバって本当は、アントニオ・カルロス・ジョビンだけじゃないんじゃないかとずっと思っていた。
それでその後しばらくして「小野リサ」を何枚か聴いて「あぁ、これ良い」と思えたのがファーストアルバムの「カトピリ」と、セカンドアルバムの「NANA」。2つのアルバム共に音楽が軽やかで、風のように流れる。これが正当なボサノバなのか私は知らないが、ギターがあまり全面に出てなくて、音楽がフワリと流れてゆく感覚がするアルバム。聞こえているのに、聞こえているような感覚さえもしない軽やかさが、とっても気持ちいい。
私としては「小野リサ」は最初に出したこの2枚のアルバムで”やりたい事全てやっちゃいました”と思えるアルバム。

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